2016年10月14日
「母の会」の講演会を平塚市で明るく開催しました
■講師には、地元の渡辺博子先生、森田久美子先生、石井憲行先生
10月14日(金)、「母の会」は平成28年度の講演会「知っておきたい子どものぜん息・アトピー・食物アレルギー」(後援:平塚市)を神奈川県平塚市の「ひらつか市民活動センター」(JR平塚駅南口)で開催しました。「母の会」はここ数年、横浜を中心に行ってきた講演会を、各地のお母さんたちの声にこたえて県内各地を回るように開催、一昨年の小田原市、昨年の川崎市などに続き、今年は平塚市で開催しました。講師もなるべく患者が身近で適切な医療を受けることができるように、平塚市民病院で外来を担当されている應義塾大学医学部小児科助教の森田久美子先生、秦野市にある国立病院機構神奈川病院アレルギー科小児科医長の渡辺博子先生にお願いしました。また当日はお二人に加え平塚市民病院から小児科の石井憲行先生もスキンケア指導のために参加してくださいました。
■ぜん息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーについて学ぶ
講演会では最初に、「知っておきたい こどものぜん息とアトピー性皮膚炎、スキンケアの実際」と題して應義塾大学医学部小児科助教の森田久美子先生が講演しました。森田先生は「子どものぜん息ハンドブック」(「環境再生保全機構」作成、無償で入手可、HPからダウンロードも可能)を使いながらぜん息の症状と正しい診断、治療について説明し、「スポーツなどを含めた普通の生活ができる。学校に休まず行くことができる。行事にも参加できる。昼も夜も症状がない」ことが治療の目標などと話しました。アトピー性皮膚炎についても、皮膚の表面をきれいにするスキンケア、軟こうで皮膚のバリアを作る薬物療法、外からの刺激、悪化要因を減らす「治療の三本柱」にしっかりと取り組み、ステロイド薬を使わなくても症状が出ない状態をめざすと話しました。この後、石井先生を中心に、しっかりと泡立てた泡を使いしわを伸ばして体を洗う、適量の軟膏、保湿剤を塗るスキンケアの実習も行いました。
■「エピペン」実物を使った実習、情報コーナーも行う
講演会後半では国立病院機構神奈川病院の渡辺博子先生が「知っておきたい子どもの食物アレルギー、治る日を目指してできること」と題して講演しました。渡辺先生は食物アレルギーの頻度やリスクを踏まえて症状や発症の仕組みと診断、正しい診断に基づいた必要最小限の食物除去、「エピペン」を含めた緊急時の対応まで丁寧に説明し、参加者全員が「エピペン」トレーナーを、代表が本物の「エピペン」を使ってみる実習も行いました。
お二人の講演終了後には活発な質疑も、また「母の会」が行う研修会などで展示する「アレルギー情報コーナー」でも、正しい情報を入手できる冊子や書籍、学校の取り組み事例などを紹介しました。講演会の参加者は地元の患者・保護者を中心に救急救命士など子どもを支援する立場の方など50人近く、終了後もあちこちで交流、情報交換の話の花が咲く、心が温まる講演会になりました。皆さん、ありがとうございました。
(園部まり子)