代表理事
園部まり子・長岡徹

顧問
西間三馨先生
(国立病院機構福岡病院名誉院長)

講演会 • 学会発表報告

講演会•学芸発表報告の説明

■神奈川、東京を中心に愛知、大阪などから180人が参加

明るく行われた講演会「家庭と地域でアレルギー児を支えよう」

明るく行われた講演会「家庭と地域でアレルギー児を支えよう」

「母の会」は9月27日(日)午後、今年度の講演会「家庭と地域でアレルギー児を支えよう」(共催:川崎市)を、川崎市産業振興会館ホールで開催、神奈川、東京を中心に愛知、大阪などからの参加者、役員も含め180人が明るく熱心に参加しました。

■ 西間三馨先生が「アレルギー疾患対策基本法」を解説

西間三馨先生が「アレルギー疾患対策基本法」を解説した

西間三馨先生が「アレルギー疾患対策基本法」を解説した

講演会では冒頭、今年12月に施行されるアレルギー疾患対策基本法について、「母の会」顧問でもある日本アレルギー学会元理事長の西間三馨先生が、「アレルギー疾患対策の方向性」と題して講演。法制定がアレルギー学会としても6年越しの悲願であったことを述べた上で、「法律がアレルギー疾患の人々にとって高いQOLを保障する成果を上げることを願っている。そのためには今後、アレルギーを取り巻く多くの組織を中心に汗をかいていくことになる」と強調しました。

■赤澤晃先生、長谷川実穂さんが講演、「エピペン」実習も

続く講演では、東京都立小児総合医療センター・アレルギー科部長の赤澤晃先生が「正しく知ろう食物アレルギー」と題して、また国立病院機構相模原病院臨床研究センター・アレルギー性疾患研究部の管理栄養士、長谷川実穂さんが「困らない食物アレルギー対応食」と題して講演。「緊急時のエピペン対応」では参加者全員がエピペントレーナーを、代表者が実物のエピペンを使ってみる、緊張感あふれる実習も行いました。

■厚労省の保育指導専門官を交えてシンポジウム

具体的な課題について話し合ったシンポジウム

具体的な課題について話し合ったシンポジウム

講演会の後半は、講師に厚生労働省保育課の保育指導専門官、「母の会」代表も加わったシンポジウムを開催。あらかじめ参加者から寄せられた質問などをもとに、講演会のテーマである「家庭と社会でアレルギー児をささえる」ための取り組みついて考えました。

■「学童保育でのアレルギー対応は手つかずの状態」との指摘

寄せられた質問では、「アナフィラキシー、ショックを起こしたことがあるというだけで保育所の入園を断られた。市内すべての公立保育所で受け入れない方針という。保育所に入園できない状況を何とか変えてほしい」(保護者)、「保育所と違って、幼稚園の先生のアレルギーに関する知識や認識にムラがある。また学童保育でのアレルギー対応は手つかずの状態だと感じる。幼稚園や学童について今後、どう対応がなされていくのか」(保護者)など、解決が急がれる課題が提起され、会場からの意見も交えた論議が行われました。

■連携のある患者グループの皆さんとの交流の場に

会場の展示コーナーでは資料を見ながら意見交換も

会場の展示コーナーでは資料を見ながら意見交換も

講演会終了後には、「母の会」が行う講演会・研修会ではおなじみの個別相談も行い、参加した皆さんが解決策を見つけることができた講演会に。また会場には、いつも啓発資材を提供していただく(独)環境再生保全機構が資料を展示・配布、連携のある患者グループの皆さんも思い思いに展示、資料提供、意見交換を行うなど交流の場ともなりました。思いもかけず参加された方からは「壇上の講師の先生方だけでなく、会場の参加者の皆様の熱意がみなぎっていて、会場一体型の素晴らしい講演会だと思いました」との感想もいただきました。参加者、役員、ボランティアの皆さん、大変にありがとうございました。

なお、この講演会のもようは、後日、動画で配信されることになっています。


(園部まり子)