代表理事
園部まり子・長岡徹

顧問
西間三馨先生
(国立病院機構福岡病院名誉院長)

講演会 • 学会発表報告

講演会•学芸発表報告の説明

講演会を開催しました。
「正しく知ろう! アトピー性皮膚炎の治療」

日 時:平成23年10月16日(日)、14:00~17:30
会 場:はまぎんホール ヴィアマーレ(横浜市西区みなとみらい)

<講演会次第>
開会挨拶 「母の会」代表 園部まり子
●講 演(1) 正しく知ろう 子どものアトピー性皮膚炎
         都立小児総合医療センターアレルギー科医長  赤澤晃先生

●講 演(2) 正しく知ろう 大人のアトピー性皮膚炎 
         東京逓信病院皮膚科部長  江藤隆史先生

--休憩・エピペン実習--

●シンポジウム 患者が安心できる医療とは
・座 長 (独)国立病院機構福岡病院名誉院長    西間三馨先生
・報 告  読売新聞医療情報部                    野村昌玄記者
・シンポジスト 江藤隆史先生、赤澤晃先生、野村昌玄記者、園部まり子

■後 援:文部科学省、厚生労働省、日本アレルギー学会、日本小児アレルギー学会、日本アレルギー協会、神奈川県医師会、横浜市医師会、神奈川県、横浜市、読売新聞社、神奈川新聞社

■協賛・寄付:グラクソ・スミスクライン株式会社、マイラン製薬株式会社、サノフィ・アベンティス株式会社、ファイザー株式会社、ファディア株式会社、杏林製薬株式会社(順不同)

■協 力:鳥居薬品株式会社、(独)環境再生保全機構、日本学校保健会、相模原病院アレルギーの会、朝日出版社(順不同)

■助 成:神奈川県社会福祉協議会、こども未来財団


<講演会参加者>
・150人(他にボランティア12人) 
・参加者の内訳:患者・家族、保育士、薬剤師、看護師、保健師、教諭、養護教諭、議員
・参加地域:神奈川県、東京都、山梨県、千葉県、茨城県、埼玉県、千葉県、静岡県、愛知県、滋賀県、奈良県


<講演会の概要>
講演会の前半では、赤澤晃先生、江藤隆史先生が講演。小児のアトピー性皮膚炎について講演した赤澤先生は、小児のアトピー性皮膚炎の疫学や、特に注意しなければいけない重篤な症状の解説などを踏まえ、標準治療を示した「ガイドライン」に示された治療の「三本柱」、(1)原因・悪化因子の検索と対策(2)傷んだ皮膚を補正するスキンケア(3)薬物療法、について説明し、適切な治療を行えば、普通の人と変わらぬ症状のない状態を保てることを強調しました。

開会のあいさつをする園部代表

開会のあいさつをする園部代表

成人のアトピー性皮膚炎について述べた江藤先生は、「ガイドライン」に基づく標準治療が普及していないために起きている不登校や引きこもり、家庭内暴力、自殺企図、一家心中、生産性の低下、結婚・出産の断念などの弊害を紹介、ステロイド外用剤の副作用の誤解、正しい塗り方などを解説しました。また江藤先生は患者の不安を増幅させるマスコミの不正確な報道について警鐘を鳴らしました。

講演会の後半、西間三馨先生を座長に行われたシンポジウム「患者が安心できる医療とは」では、冒頭、読売新聞医療情報部の野村昌玄記者が同紙の連載「医療ルネサンス」の取材を通じて見えたアトピー性皮膚炎治療の現状と問題点について報告しました。野村記者も交えたシンポジウムは、事前に寄せられた参加者の質問に答える形で進められ、「怖いと思ってステロイドを止めたら、ドロドロの肌になってしまった。今の主治医からは毒が出ていると言われたが本当か」「1歳半の女児。なるべく薬に頼らず頑張っているが、夜は痒くて眠れない。成長に影響しないか心配」「信頼できる医師(病院)の選び方を教えて」などの疑問に明快な回答が示されるとともに、活発な意見交換も行われました。

活発に行われたシンポジウム

活発に行われたシンポジウム

このほか講演会では、休憩時間を利用して、アドレナリン自己注射薬「エピペン」の実物を使った研修が行われたほか、連携のある患者支援グループなどがブースを出し交流も活発に行われるなど、終始、なごやかに行われました。



<参加者の感想>(アンケートから抜粋)
○正しい治療法を広く普及していく為にはどうしたらいいのかについて考えていくことの重要性を実感した
○ステロイドについて間違った知識を持っている子が多いのできちんと正しい知識を持ってもらうよう指導したい
○保護者、生徒と正しい知識を共有できるよう努力していきたいと思った
○薬を塗る量、タイミング、スキンケアについて医師から教えてもらったことがなかったので勉強になった
○基本的なことをしっかりすることが大切だと改めて感じた。今後は「食物アレルギー」に関しても取り上げてほしい
○アトピーが季節によって悪化している生徒がいるので機会をみて薬が正しく塗付できているのか話をしてみようと思った
○記入した質問に講演中に答えてもらえてよかった。医師側だけでなく患者側のパネリストが入っていたことも共感できてよかった
○何が正しいのか惑わされることもあるが、先生方の話を聞いてよく理解できた
○地方でも講演会を開催してほしい
○ステロイドとプロトピックの効用を詳しく話を聞くことができたので勉強になった