代表理事
園部まり子・長岡徹

顧問
西間三馨先生
(国立病院機構福岡病院名誉院長)

活動報告

母の会で開催した講演会や学会での報告、記事などをご紹介します。

県の母子保健グループリーダーに情報を提供した(珠洲市)

3月14日(木)、15日(金)の両日、「母の会」は1月に発生した能登半島地震で被災した石川県の穴水町、能登町、珠洲市、志賀町、輪島市を訪れ、被災者の健康を守る行政の担当部門や避難所に、長引く避難生活の中でアレルギー疾患の悪化を招かない取り組みに役立つ資材を提供、地元や全国から派遣された保健師や栄養士などと情報を交換しました。
持参した資料は、日本小児アレルギー学会の「災害時のこどものアレルギー対応パンフレット」や(独)環境再生保全機構の「乳幼児スキンケア」「食物アレルギーに配慮した離乳食の進め方レシピ集」など。これに「母の会」が今年度に作成した2種の冊子「母子保健事業で取り組むアレルギー疾患の発症予防・重症化予防(改訂版)」「赤ちゃんのアレルギーが気がかりな保護者の方へ」を加えて訪問先で手渡すと、「母の会」作成の冊子については前年に県を通じて配布されたこともあって大変に喜ばれました。

各地で建物は倒壊したままの状態(輪島市)

訪問先では、石川県健康福祉部少子化対策監室の母子保健グループリーダー、「母の会」の地元・横浜市や和歌山県から派遣されている保健師チーム、日本栄養士会の災害支援チーム(JDA-DAT)の皆さんなどと情報交換できました。被災自治体の多くではアレルギーについて避難所などでアセスメントが実施され、食物アレルギー患者には、日本栄養士会と連携して必要な食材を届ける取り組みが行われていました。
一方、懸念されていた長期間の断水に伴う水不足により皮膚トラブルに悩む乳幼児への対応が課題になっていたことから、「母の会」が提供した適切なスキンケアに関連する資料は大変に喜ばれました。

珠洲市では給食支援を行っていた自衛隊の部隊を訪問し、「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」(内閣府防災担当)に基づく原材料情報の提供の徹底をお願いしました。穴水町では、県内の羽咋市から月1回出張して診療している地域でただ一人のアレルギー専門医とも面会することができました。
被災から2か月半たったにかかわらず、いまだに断水が続いている地域も多く、各地で建物は倒壊したままの状態でした。今回の訪問では今後に向けた状況も把握することができました。「母の会」は息の長い被災地への協力を続けていくことにしています。活動は日本財団、赤い羽根「災害ボランティア・NPO 活動サポート募金」(ボラサポ)の助成を得て行いました。

(園部まり子 坂口智恵)